ザリガニを成長させる子孫を残させる | |||
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アメリカザリガニは、体長がオスでは60ミリから65ミリに、メスでは55ミリから60ミリに達すると性的に成熟して繁殖が可能になります。
活動も繁殖は温度に左右され、交尾シーズンは4月〜11月の水温が14℃〜30℃までの時で、晩春(4月〜7月)に最盛期を迎える春型と、初秋(8月〜10月)に最盛期を迎える秋型があります。
オス、メスを見分ける その1
ザリガニの雌雄の見分け方は、一番簡単な方法は腹脚を見ることです。
オス、メスを見分ける その2
ザリガニが怖くて掴めない人は、ザリガニの外観からできるだいたいの判断方法もあります。
種親選び
繁殖に使うザリガニは繁殖可能なサイズまで成長していることが前提で、オスなら両方の大はさみがあること、再生中のはさみなら脱皮を2回以上済ませている程度の大きさは必要です。
個室でしっかりと休養・栄養補給
繁殖は焦ってはいけません。
ペアリングの直前
準備が一通りできたら、ペアリングしましょう。メスの水槽にオスを入れます。
交尾の誘発
交尾はオスがメスを大はさみで抑えつけてはさみ、しっかりと固定したまま20分〜3時間続きます。
セックスレス
ザリガニにも男女の相性はあるようなので、いつまで経っても交尾しないカップルもあるようです。
産卵
交尾を確認できたら、その後2週間程度でオスは別の水槽に出しましょう。
抱卵中の観察
抱卵中はザリガニがもっともデリケートになる期間です。
抱卵中のエサ
しかし、上記の状態でほったらかしにしておいてはいけません。
抱卵中の世話
ザリガニは一度の産卵で約300個は産卵し、多い時には1,000個以上にもなります。つまり、一つの水槽に301〜1,001匹以上のザリガニを収容していることになります。
孵化したら
ザリガニは孵化後もしばらくは母親の腹脚にくっついて生活します。
数匹のザリガニの腹側を見ると、腹脚の長さ、色、形が違うことに気づくでしょう。
胴に近い側から数えて2番目までの腹脚が白くて硬くなっているのがオスです。
それに対しメスでは、胴から数えて一番目の腹脚は一番短く後の四対がオスよりも2倍ほど長くなっています。
オスの腹脚の硬い部分は「交尾器」になっていて、第5歩脚の付け根から出た精包
[精子の塊]
をメスの交尾器まで運ぶ役割があります。
メスの腹脚は産んだ卵を腹脚にぶどうの房の様に付けて、子供が一人立ちするまでくっ付けて守る役目があります。
これは不確かなのですが、はさみの大きさを見る方法です。
オスのほうがはさみが大きい、挟んだときにはさみに隙間ができるのがオス、という特徴があります。
しかしこれはあくまで、はさみが完全に生え揃っている場合のことなので、はさみを再生中の場合は判断できないことも多々あります。
再生中はオスでもはさみが小さいし、メスでもはさみに隙間ができます。確実に判別するには、腹脚を見るようにしましょう。
これはザリガニのオスは交尾のときに大はさみで、メスの大はさみと歩き脚の前から2対を抑えて交尾するのですが、はさみが無かったり、小さいとメスを掴めなかったり、掴んでも逃げられたりしてしまうからです。
メスなら歩き脚が揃っていることが条件です。
これはザリガニのメスは産卵の時に産卵口から出た卵をはさみになった前2対の歩き脚で腹脚まで運び、その後抱卵中に卵の房に付くゴミを取ったりするのに前2対の歩き脚を、卵の房をほぐすのに後ろ2対の歩き脚を使います。
脚が不完全なメスだと、一つの卵が死んでしまうとそこから全体に水カビなどが広まってしまい、壊滅することもあります。
♂オス→ 大はさみが両方あること
♀メス→ 歩き脚が揃っていること
脱皮シーズンに入る前に一度脱皮させておきましょう。
特に、前の子育てを終えたばかりのメスは脱皮をしないと体力的にも無理があるし、卵をくっ付ける腹脚にも古い卵の殻や子供の抜け殻が付いたままでは次の子育てはできません。
それぞれが脱皮を終えた後も、いきなりオスとメスを一つの水槽に放り込まずに、まずはそれぞれにじっくりと栄養豊富なエサを与え、繁殖に備えてさせます。
これは、交尾で消耗してしまうので体力をつけさせるため、これから産卵するメスの卵の質の向上や量の増大、まさかの共食いの防止などの効果があります。
これは産卵前にかなりデリケートになるメスに少しでも負担を掛けないようにするためです。
負担を掛けないという点で、ペアリングした後は水換えもあまりしないほうがいいので、先に水換えやレイアウトの変更は済ませておきましょう。
えさを与えたり、観察のために夜間に明かりを点けると、それに興奮し交尾を始めるザリガニもいます。
交尾が不振そうなときは夜間に突然水槽の蛍光灯を点けたりしてザリガニを興奮させてみましょう。
ただし、それまでにエサを十分に与えていないと共食いを引き起こすこともあるので、事前にエサは十分与えておきましょう。
昼も夜もいつ見ても交尾をしていないようなら、ペアリングの変更もしてみましょう。
メスは交尾してからだいたい2週間〜2ヶ月の間に産卵します。
この差は個体差もありますが、体の準備が整っていてもオスが同居していると落ち着いて産卵することができないために産卵しないということも起こります。
また、産卵するまでは栄養価の高いエサをしっかりと与えましょう。でもやりすぎると脱皮してしまい。今までの手間が水の泡になりますので気を付けてください。
産卵は通常夜間に行われ、確認は明朝になりますが昼間に産卵させる方法もあるようです。
しかし、飼育者としては卵の変化や子供の成長を見たくて見たくてたまらない期間でもあります。
しかしここは我慢しないと、飼育者の欲望のままに観察をしてしまうとザリガニにはかなりのストレスになり、抱卵をやめてしまうザリガニも多々います。
そこで、抱卵中のザリガニがいる水槽にはランチョンマットのような布やタオルなどで水槽の回りを覆ってしまいましょう。このとき、一部をめくれるようにしておくのです。
ザリガニは水槽の周りが見えなくなるので、外界からのストレスが軽減されます。
飼育者は毎回タオルをめくって観察することがザリガニにとってストレスになるのがわかっているので、頻繁にはめくらなくなるでしょう。
これでザリガニは安心して子育てができます。
水槽を覆うタオルの色は白にしてください。ザリガニの眼は黒い物しか追いかけず、白い物は移らないからです。
ザリガニのメスの多くは抱卵中にはエサを食べませんが、中にはよく食べるザリガニもいます。盛んに歩き回っていたり、底のゴミを口に運んでいたりすれば少々のエサを与えましょう。抱卵中の水槽の水は水質の変化を極力避けなければいけないので、えさの量は最低限に留めます、ザリガニが確実に食べるだけの量を与えれば大丈夫です。
母親の腹脚に付いた卵や子供は、水中の酸素が不足しても水面に浮いて呼吸することができないので、水中の酸素の量を増やすために、エアポンプの排気量をいつもよりも多めにします。
また、水温によって抱卵期間や健康状態が変わるので水温管理は毎日してください。
適温は23度前後で、抱卵期間は約1ヶ月。卵の期間と子供で腹脚に付いている期間がそれぞれ2週間ずつぐらいです。
水温が5℃を切ると親も冬眠に入り、卵の成長も止まります。30℃近くになると、親も卵も活動は活発になりますが、高水温に耐えられなった卵が死滅し、そこから水カビが広がって卵が壊滅することもあります。
子供が腹脚にくっついている状態ならまだエサはいりません。(抱卵中にエサを食べるタイプの母親を除く)
子供は卵の時から持っている、お腹に貯まった栄養で二回の脱皮を終えるまで生活し、母親から離れます。
それから自分でエサをとって成長するようになります。
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