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◆ ザリガニの繁殖 ◆

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ザリガニの繁殖可能な大きさ
メスを探す
受精
ザリガニの産卵準備期間
ザリガニの産卵
夜の予定→日中に実行
ザリガニの抱卵の仕組み
ザリガニの抱卵期間
ザリガニの卵の世話
ザリガニの孵化
ザリガニの無精卵
アメリカではザリガニを食料として養殖


ザリガニの繁殖可能な大きさ

アメリカザリガニは、体長がオスでは60ミリから65ミリに、メスでは55ミリから60ミリに達すると性的に成熟して繁殖が可能になります。
繁殖活動は温度に左右され、交尾シーズンは4月〜11月の水温が14℃〜30℃までの時で、晩春(4月〜7月)に最盛期を迎える春型と、初秋(8月〜10月)に最盛期を迎える秋型があります。

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メスを探す

オスはどうやってメスを見つけるのでしょう。
繁殖期が近付くとオスはメスを探して歩き回ります。そのときオスは自分と近い大きさの動くものを見つけるとはさみを軽くあげ、その標的に近付きます。そのときオス同士が出会うとそのままケンカになることもありますが、メスだと逃げ出すのでオスは追いかけて、その大きなはさみでメスの体をしっかりと掴み、腹が合わさる様に押さえ付けて交尾します。
交尾するのは繁殖期前に脱皮を済ませた体長約5.5cm以上の個体です。

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受精

交尾のとき、オスは第5胸脚の付け根から精子を出し、交尾器を通してメスの環状体にあずけます。その2週間から約2ヶ月後、産卵とほぼ同時にオスから受け取った精子が解け出し、精子と卵が合体して受精します。そしてそのまま腹脚に付けられます。 ちなみに卵を腹脚に結び付ける粘液は精子ではなく、セメント線といわれるもので、交尾後にメスの腹脚や尾扇肢に発達する孔から出されるものです。

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ザリガニの産卵準備期間

メスは、交尾の後すぐに産卵はしません。産卵には セメント線 という組織が必要で、その組織の発達を待つ期間があります。
セメント線は交尾後に次第にメスの尾扇肢等に発達するもので、初期には尾扇肢の基部に白斑が肉眼で確認できます。 中期になると白斑は尾扇肢全体に広がり、産卵直前には鮮やかな淡紫赤色になります。
アメリカザリガニは夏季では交尾後40〜90日、秋期では交尾後60〜80日で産卵します。

ザリガニの産卵準備  

ザリガニの未発達なセメント線を見る
ザリガニの
未発達なセメント線
  
ザリガニの発達したセメント線を見る
ザリガニの
発達したセメント線
  

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ザリガニの産卵

メスは交尾から早くて2週間、遅くとも2ヶ月前後で産卵します。産卵は通常敵の比較的少ない夜中から早朝に行われます。
産卵を始めるときはメスは体を折り曲げて水底に横たわります。 産卵孔から産まれた卵は紫色で、器用に動く腹脚に集められ、粘液と一緒に腹脚に付けられます。 粘液は一日程すると糸のようになって卵と腹脚を硬く結び付けます。
メスは子供が独り立ちするまでの約1ヶ月間、巣穴等の隠れ家にこもり、腹に付けた卵を守ります。

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夜の予定→日中に実行

ザリガニの産卵は普通夜間に行われるのでなかなか目にすることはできませんが、前日に体が浸るぐらいに浅く水を張っておき、翌日に水を深くすると、日中でも産卵を見ることができます。

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ザリガニの抱卵の仕組み

卵はメスの生殖口から産まれます。 200〜1,000粒 を2時間以上かけて産卵します。
卵は卵膜の外側から伸びている糸状になった卵殻柄でメスの腹脚に結び付けられ、産卵の直前にセメント線から分泌された粘液で補強され、腹脚にぶら下がります。 粘液は時間と共に弾力が増し、卵を腹脚にくっつける接着剤になります。←だからセメント線なんだとか。
ザリガニの抱卵

ザリガニの卵1を見る ザリガニの卵1   ザリガニの卵2を見る ザリガニの卵2   ザリガニの卵3を見る ザリガニの卵3  

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ザリガニの抱卵期間

ザリガニのメスは産んだ卵を腹の下に付けて守ります。
卵は水温26℃前後で2週間ほどで孵化し、さらに2週間ほどすると子供は歩き出しますが、完全な独り立ちまではあと1週間ほどかかります。

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ザリガニの卵の世話

産み出された卵は母親の腹脚にぶら下がっています。
母親はときどき卵の付いた腹脚をゆすり、卵に新しい水を送ったり、歩脚で卵の掃除をして、大切に守ります。
1度に産む卵の数は卵の数は200〜1000個なので、他の甲殻類に比べると極めて少ない数ですが、これは卵が小エビになるまで母親が大切に保護できるためです。
産卵直後は紫色だった卵は徐々に黒っぽくなり、孵化間近では中の小エビが見えるようになります。 産卵から孵化までは水温23℃前後で約2週間です。

ザリガニの卵の世話
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ダウンロードに約2分程度かかります。
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ザリガニの孵化

産卵から約2週間すると、卵の膜を破って小エビが誕生します。しかし、まだ独り立ちはしません。
小エビは糸で母親の腹脚とつながっている卵の膜からさらに糸でつながっています。
小エビは孵化から約1週間で1回目の脱皮をしますが、今度はその脱け殻ともつながっているので親からはまだ離れられません。
それからまた1週間後に2度目の脱皮をし、ようやく母親から離れ、歩いたり泳いだりできるようになります。
その間、小エビは何も食べませんが、卵の時から蓄えられていた栄養を使って育ちます。
孵化直後のザリガニを見る 孵化直後のザリガニ   

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ザリガニの無精卵

アメリカザリガニを飼育していると、単独飼育のメスが産卵することがあります。
産卵前にはちゃんとセメント線も発達します。

これは、生理的な産卵でザリガニとしても交尾してから産みたかったのですが、季節の変わり目にどうしても産んでしまったという状態です。
色はオレンジ色で、形もきれいな球ではなく凹んだり歪んだり、中には潰れているものもあります。
産卵したメスは大事に世話をしますが、無精卵なのでいくら待っても育ちません。
また、腹脚から外れて落ちる期間も以上に早いので飼育者にはすぐに分かります。
でも、ザリガニのメスは卵が全部落ちても抱卵しているかのような行動を取ります。

交尾して産卵したメスの卵の中にも産卵後すぐに落ちる卵がありますが、それは無精卵です。

ザリガニの中にはメスしか存在せず、単独生殖して殖える 【ミステリークレイフィッシュ】 という種もあります。

ザリガニの無精卵を見る ザリガニの無精卵
  

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アメリカでは食料としてザリガニを養殖

春型の繁殖期を巧みに利用した養殖が本場アメリカでは行われています。
まず、五月下旬に深さ60センチほどの養殖池にザリガニを放し、新しい住みかに慣らし、20日ほど経つと徐々に水を引いて12センチぐらいの水位にまで下げる。
残った水はすみやかに乾かしていく。水が引くことで交尾期の来たことを感知して、交尾をしてメスは卵を産む。
そして9月半ばに池に水をひく。
このやり方をすると成長が非常に速く、生まれたザリガニはほんの1〜2ヶ月の内に交尾・産卵ができるようになるくらい成長します。

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